京急百貨店 藤川 由子 さん

2010.06.24

京急線上大岡駅の改札を出ると、もう目の前が京急百貨店のエントランスです。そこをくぐって広い店内を進むと、フロアの中央に傘売場が展開されています。最盛期には、店頭に約700本もの傘や数多くのレイングッズが並び、選ぶのに迷ってしまいそうです。でもそこは安心。アンブレラ・マスターが、お客様のニーズに合ったアイテムを的確に提案してくれます。

Q.
お客様に特徴がある売場のようですね。
A.
京急百貨店のお客様は、地元の方と通勤帰りの方で7割を占めます。昼間は地元の主婦の方、夕方は上大岡駅を京急線、市営地下鉄線、バスの乗り継ぎ駅として利用する通勤の方々が、数多く来店されます。つまり、お客様の多くが、週に1回、もしくは複数回店に足を運ばれるリピーターです。傘売場にも、毎日常連の方々が数多くお見えになります。主に30代の女性と、50、60代の女性がメインの顧客層ですね。30代の方には1万円程度のブランドものや5000円台の軽量ジャンプ傘が売れ筋です。 50代、60代の方には、ブランドロゴや小花が全面にプリントされた定番のがらが人気となっています。いずれの年代にも、派手すぎず、飽きのこないコンサバなデザインが好まれていますね。
 
Q.
ハイシーズンには傘に関するイベントも開催していますね。
A.
毎年5月後半から約1ヶ月にわたり、「ウェザーステーション」と銘打ったフェアを開催しています。前半の2週間は主にパラソル、後半の2週間は、雨傘やレイングッズを中心に大々的に展開します。いずれも通常の売場では提供していない、とっておきのアイテムを紹介します。また、雨関連では、レインコートやレインブーツ、レインハット、傘袋なども合わせた、雨の日のトータルコーディネートをディスプレイを通じて提案し、お客様の関心を誘っています。特にレインコートは、年々種類が豊富になり、デザインもスプリングコートとして着ることができるくらいオシャレになっています。お客様の需要も高く、力を入れて販売しております。
 
Q.
販売で工夫されている点は?
A.
売場発のトレンドを作っていくことです。そのために、一定の期間のイチオシ商品を選定。その商品に関してはVP(ビジュアルプレゼンテーション)スペースなどを活用して積極的にアピールしていきます。イチオシ商品を決める際の基準は、ひと言でいえば「新鮮味」でしょうね。今までにない新しいアイテムは、リピーターのお客様にも薦めやすいですし、話題にもなりやすいですから。イチオシ商品の反応は上々ですよ。特に服によって持つ傘を変えるという、オシャレな方に購入いただいております。購入される方が増え、狙い通りトレンドになったときは非常に嬉しいですね。
 
Q.
アンブレラ・マスターの資格も販売の際に役立っているそうですね。
A.
傘の部位や素材、構造に関する知識が豊富になったことがメリットですね。おかげでそれぞれの商品を見て、特性が見極められるようになり、お客様のニーズに合ったものをほぼピンポイントでご案内できるようになりました。これは、お客様の信頼を得ることにつながっています。また、アンブレラ・マスター試験の前に受講した講習を通じて、傘が一つひとつ手づくりで作られていることも知りました。これほど大変な作業であるとは思いませんでしたね。以後は、お客様には、これまで以上に傘を大切に使ってほしいという気持ちが強くなっています。接客でも、傘の扱い方やアフターケアに関して、より丁寧に説明するようにしています。



■当店で人気の傘

ブランドものが売れ筋になっているほか、機能性のある傘として、軽量のジャンプ傘、最近種類が豊富になってきた耐風傘も人気。


アンブレラマスター傘への思い

常連客に指名され、やりがいを実感

売場に来店されるリピーターの方に的確に商品を提案するため、お客様のお名前や購入された傘を覚えるようにしています。自分独自のデータベースですね。それを、この方は1本目にこの色の傘を買われたから、次は違う色を提案してみようなどと、接客の際に活用しています。また、例えば軽量で使い勝手の良いジャンプ傘をご提案したときのこと。たまたまダーク系の色だけが在庫に残り、その方の好みである明るい色が品切れしていることもあります。その場合は、明るい色が入荷したら、すぐに電話で連絡を入れます。要は、一人ひとりのお客様に合ったきめ細かい対応をしていくわけです。そんな接客を気に入っていただき、電話や店頭で私を指名していただけることも少なくありません。やりがいを感じますね。

専門家として信頼される喜び

昨年(2009年)の話ですが、あるリピーターの方が私の提案したパラソルを購入され、非常に気に入ってくださいました。その後、梅雨前にまた来店され私を指名されたので、今度は長傘や折りたたみ傘、レインコート、傘袋などをトータルコーディネートで提案。すると、そのすべてを買っていただけたのです。それからも、何度も売場に足を運んでいただき、さらに傘を買っていただいたり、ご主人様やお子様の傘をご購入いただいたり。スカーフやハンカチなどの婦人小物の見立てを依頼されることもありました。自分を専門家として信頼していただき、本当に嬉しかったですね。
今後も、自分を信頼いただけるお客様を増やしたい。そして、その方々が「雨の日が楽しくなりそう」、「雨が待ち遠しい」と思えるような、傘やレインコートを提案していきたいですね。




店舗紹介

京急百貨店


http://www.keikyu-depart.com/

住所:
神奈川県横浜市港南区上大岡西1-6-1
TEL:
045-848-1111(代表)
アクセス:
京急線上大岡駅直結。
ホームページ:
概要
1996年10月にオープン。同店の立地する上大岡駅の1日の平均乗降者数は、京急線が約13万人、横浜市営地下鉄線が約7万人で、バスも4社60系統が乗り入れる。それらを利用する通勤客に加え、地元在住者が同店を利用。傘売場にも、毎日、多くの顧客が足を運ぶ。


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※記事の内容は2010年6月24日現在のものです。

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