タナカヤ洋傘店 田中 康司 さん・みどり さん

2009.02.18


タナカヤ洋傘店は、JR高円寺駅から徒歩5分程度の商店街の一角にある小さな傘屋さん。田中さん夫婦が切り盛りしています。主に店頭に立つのは妻のみどりさん、修理を担当するのが夫の康司さんです。2人ともアンブレラ・マスターの有資格者。講習やテキストから得た正確な知識が接客時に役立っているそうです。


Q.アンブレラ・マスター認定制度をなぜ受けようと思ったのですか?

A.みどりさん:資格を取得すれば、店の信用力が上がるのではないかと。それに、私たちが1998(平成10)年に店を受け継いだときは、創業した両親がすでに亡くなっていて、その後傘について教えてもらう機会がほとんどなかったので、勉強してしっかりとした知識を身に付けたかった。そうすれば、お客様にも正確な情報を提供できると考えました。


Q.テキストや講習で勉強して効果はありましたか?

A.康司さん:今までは、傘の部位について、正確な名称を知らないものもありました。そのため、業者の方に修理のための部品を注文するときに、上手く意思疎通ができないこともあった。今回勉強することで、それが一気に解消されました。
みどりさん:確かに、以前は、傘の部位を指で差しながら「ここの部品」とか「あの部品」とか、言っていました(笑)。名称がわかったことで、注文もスムーズになりました。


Q.店頭でも効果が現れているのでは?

A.康司さん:接客のときに知識が非常に役に立っています。今は防水加工やUVケア加工などの機能が急速に進歩していますが、その最新情報も、お客様に正確に説明できるようになりました。これはテキストや講習で勉強した成果ですね。
みどりさん:傘の正式な扱い方についても、テキストや講習で勉強できたことは、店にとって大きなメリットでした。これで、傘だけを単に売るのではなく、その正しい使い方も含めてお客様に提供できるようになりました。


Q.様々な知識を全般的に得ることができ、いい機会となったようですね。

A.康司さん:そうですね。そのほかにも、工場で傘がどのように作られていくのか、その工程をテキスト、講習、ビデオなどを通じて知ることができたのも、非常に勉強になりました。今でも忘れたり、確認したいときは、テキストを引っ張り出してチェックするようにしています。もう、このテキストは手放せないですね。


おすすめ傘 当店自慢の3本

私たちの店は、婦人傘が5割、紳士傘が4割、キッズ傘が1割という商品構成です。常時置いている商品点数は500本くらい。その中から選りすぐりのものをチョイスしてみました

eight-tokyo ¥6,300(税込)
華やかかつ爽やかな柄が特徴のワンタッチ傘です。非常に軽いので、年配の方でもラクに持つことができます。


 

SONIA RYKIEL ¥8,925(税込)
全面フラワーの華やいだデザインがポイントですね。雨の日の暗い雰囲気もこの傘を差せば明るくなりますよ。




Jocomomola ¥3,990(税込)
エスニック調のデザインと深張りのフォルムが可愛らしいですよね。ちなみにこれは仕入れの際に大学生の娘が選んでくれました。



 

アンブレラ・マスター 傘へのおもい


高品質な傘を修理して使い続けるサイクルを


みどりさん:傘は、使い捨てたり、壊れたら捨てたりするのではなく、やはり、「品質の高いものを買って、壊れたら修理し、また使い続ける」というサイクルが基本だと思うんですよ。だから、私たちの店では、売りっぱなしにせずに、いつでも修理に応じるということをうたっています。他の店で購入されたものが持ち込まれても、材料さえあれば、極力対応するようにしています。
皆さん、修理する場所が近所になかったり、そういった場所があることさえ知らなかったりする場合もある。将来的には、そんな方々も利用できるような、傘の修理の拠点になることを目指したいですね。しかも低料金で済むようなシステムが実現できればと。
康司さん:先日も古い傘を修理しましたね。タグを見てビックリ。「東京府」と書いてありました。間違いなく戦前のものですよね。
でも、絹張りの細まきの傘で、骨も丈夫な、一見して非常に高価で高品質なものだとわかった。おそらく、依頼主にとって思い入れがあったり、使いやすかったりするものだったのでしょうね。

 

街中で自分の店の傘を差すお客様を見る喜び


みどりさん:傘屋さんとして嬉しいのは、自分が色々と考えて仕入れてきた傘をお客様が差して、その方の雰囲気とピッタリあったとき。そして、その方が気に入って買っていただけたときです。仕入れてきて心底良かったなと思いますね。
また、買っていただいた方が街中で差して歩いている姿を見たときも嬉しい。そうしたことがこの商売の喜びですね。
康司さん:お客様にもよく話しているんですけど、雨の日は空や街全体が暗くなるので、そんなときこそ、お気に入りの、差すだけで楽しくなるような傘を開いて、街に出てほしいと思うんですよ。そうした傘を持っていれば、「今日は雨か、イヤになっちゃうな」ではなく、「雨だ!あの傘を差して外に出よう」という具合に、雨の日の気分も変わってくるのではないでしょうか。
 


店舗紹介

タナカヤ洋傘店
住所:東京都杉並区高円寺北2-38-17
TEL/FAX:03-3337-5779
アクセス:JR高円寺駅北口から延びる商店街を進み徒歩5分
ホームページ:なし
概要:1954(昭和29)年に開業。10m2ほどの小さな店舗に約500本の傘を陳列する。基本的に妻のみどりさんが店頭に立ち、夫の康司さんはサラリーマンとして勤めながら、夜や休日に店を手伝う


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※ここに掲載されている内容は、すべて2009年3月20日現在のものです。

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