ノルウェー編

2015.10.01
 スカンジナビア半島の西岸にあるノルウェー王国。実は一人当たり名目GDPがルクセンブルクに次ぐ2位の約9万7000ドル(2014年、IMF)で、日本の2.5倍以上だ。裕福な理由は西に広がる北海油田。約5000億ドルのGDPの2割以上が石油・天然ガス生産によるものだ。財政赤字はゼロで、石油・ガス事業の収入は将来の国民の年金に当てるための基金に積み立てている。残高は約100兆円に上るそうだ。
 約515万人の人口は首都のオスロを中心とする南部に集中する。オスロの年間降水量は800mm以下で東京のほぼ半分。「ノルウェー人は傘を差さない」と言われ、実際に数年前、在京ノルウェー大使館職員に聞いたときには「防寒・防水のジャケットのフードをかぶって歩くことが多く、傘は土砂降りにならないと使わない」と答えていた。
 だが今年9月にオスロを訪問して雨の日に街を歩くと、フードでしのぐ人はむしろ少数派で、街行く人のほとんどが傘を差していた。宿泊したホテルの女性従業員に尋ねると、「雨の日に傘を差すのは当たり前。デパートや雑貨店などで売っています」と言う。加えて、「私は4本ほど持っている。折りたたみ傘ばかりで、黒、茶色、ピンク、紫の無地でシンプルなもの」と話す。街角で観察すると、長傘や柄物の傘は少なく、無地の折りたたみ傘を多く見た。折りたたみ傘の値段はデパートで5000~8000円、雑貨店で2000円、書店では1000円程度のものもあった。
 折りたたみ傘を中心に、傘を使う習慣が定着してきているようだ。いまは無地が中心だが、そのうちデザインにこだわる人も増えてくるだろう。

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