南アフリカ共和国編

2008.03.01

洋傘文化のない国に変化の兆し
経済発展とともに傘を使う習慣も


南アフリカ共和国はアフリカ大陸最南端に位置する、日本から最も遠い国の1つだ。向かうとなれば、所要飛行時間は17時間以上もかかる。

しかし、近年、観光目当てやビジネス目的で渡航する日本人も徐々に増え、同国も日本にとって身近になりつつある。2010年にはサッカーW杯も開催されるため、より関心が高まることになるだろう。
気候については、南半球のため、日本と季節は正反対で、10月〜3月が夏となる。夏は雨も多く、特に12月〜2月の“真夏”がピーク。1月の月間降水量145mmで、日本の梅雨とそん色ないほど多雨となる。
それほど雨と縁のある国ならばと、南アフリカ観光局に傘事情を聞いてみる。だが、「昔から傘を使う習慣や文化はない。やむのを待つか、そのまま気にせず濡れて歩く人がほとんど」と、期待外れの答え。一部の部族で、雨しのぎに男性は帽子、女性はブランケットを活用することはあるものの、傘は手にしないという。
ただ、最近では、少しずつ変化の兆しが見られるようになった。頻繁に現地を訪れる旅行代理店数社に尋ねると、「一日中降ることもあるので、そのときはさすがに現地の人も傘を差す」、「田舎で傘を購入するのは難しいが、ケープタウンやヨハネスバーグ、プレトリアなどの大都市では百貨店、小売店などで、入手可能」と、異口同音に傘の情報が聞こえてきた。
人種隔離政策(アパルトヘイト)が撤廃されてはや17年。ブラジルやロシア、インド、中国と並ぶ新興国としてもてはやされる機会も多い同国では、経済発展とともに雨の日の風景も変わりつつあるようだ。

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