中国・上海編
2014.01.01
上海で売れそうなアイテムは?
上海市の緯度はほぼ鹿児島県と同じで、四季もあり、6月、7月は日本同様に梅雨もある。だが、雨の降り方は「どしゃぶりになることが多い」と、同市在住の日本人女性Fさんはいう。
だから、上海っ子にとって傘は必須。雨の日には様々な色や柄の傘が溢れ返る。日本にはない、石突にプラスチックカバーが付くものもある。濡れた傘を閉じた後にカバーを引き上げると本体をすっぽり覆うことができる。役割は傘袋と同じで、中国ではポピュラーだ。傘の相場はピンキリだが、安価なものはコンビニで10元(約170円)ほどで手に入る。
また、雨が降り始めるとこれも日本にはない現象が起こる。「どこからともなく駅周辺に『傘売り』がわき出るように現れる。どこかでスタンバイしているのか、突然の雨でも出てくる」(前出のFさん)。「ただし」と、Fさんは言う。「上海では日本で見られるようなオシャレな傘を目にすることは稀。基本的にファッションの一部と思っている人は少ない。日傘も雨傘で代用している」。
中国の実質GDPは7~8%で推移。特に元気な都市が上海市だ。2012年の一人当たりの平均可処分所得は全国トップの約65万円で前年比10.9%増。2013年も10%弱増の見込みで、経済成長率よりも高い伸びだ。生活水準が上がればファッションに目が向くことは必然。しかし、その目はまだ傘には及んでいないようだ。
ところで、上海の雨の日特有の現象がもう一つある。水はけが悪いせいか、地面や建物の床、階段が非常に滑りやすくなることだ。「よく転んでいる人を見かける。私も何でも滑ったり、こけたり……」と、Fさん。滑り止め効果の高いレインブーツなどは商機があるかもしれない。
一方、色やデザインの趣味も実に特徴的だと話す。「とにかく縁起を担ぎたがる。色は赤や金、数字は6や8、動物は龍や魚、鳥、コウモリが好き。それは例えば、空港に行くとよくわかる。だって、赤のスーツケースの率がとても高いから」。ところ変われば好みも変わる。商売の参考にしたい。