ha-na自由が丘店 菊池 里沙さん
大人の女性に人気の東京・自由が丘。特に土日は、雑貨店巡りやカフェでのひとときを楽しむ多くの女性たちで賑いを見せます。その都内有数のスポットの駅のすぐ近くで、人通りの多い絶好のロケーションに店を構える「ha-na自由が丘店」。主に生活雑貨を扱う中、傘も重要なアイテムとして、店頭にディスプレイし、積極的に展開しています。雑貨店に傘を置くメリット、取り扱う商品への想いなどを、店の販売員でアンブレラ・マスターの菊池里沙さんに聞きました。
古き良き時代の傘を受け継ぐ
Q.ha-na自由が丘店はどのような店ですか?A. 2003年に開業した生活雑貨を取り扱う小さな店です。現代作家の手による雑貨、日用品のほか、スウェーデンの「ヨブス工房」で染められた生地を使ったオリジナル商品なども手掛けています。古き良き時代の伝統を受け継いだ商品にも力を入れていて、傘も日本の職人が作った、丁寧な仕事で品質の高いものを中心に提供しています。
Q.傘の売行きはいかがですか?
A. 傘は秋から冬は雨傘を中心に50~70本程度、春先からは晴雨兼用パラソルが加わり、最盛期となる母の日以降は常時100本以上を展開しています。洋傘メーカー「ワカオ」の傘を中心に、ヨブス工房の生地を使った傘、その他リーズナブルな傘も用意。特に日傘は春から新作が店頭に並ぶことをご存知のリピーターのお客様が、「前回購入して良かったから」と毎年のように来店され、ご自分用、贈り物用に買っていただいております。特に商品が動くのが母の日の前。1日に10本以上売れることもありますよ。
Q.雑貨店で傘を扱うメリットは?
A. 店頭にディスプレイした傘は目立つため、アイキャッチの効果があり、興味を持っていただき、入店につなげられることでしょう。また、雑貨や日用品が好きな方は傘にも興味があるケースが多く、雑貨を目当てに来店されて傘に目が留まり、購入につながるケースもあります。
Q.どのような方が来店されますか。
A. 平日は近隣にお住まいのマダムの方が中心。土日はそれに若い女性やカップルが加わり賑います。最近女性に人気なのは、レースや刺繍などの装飾性が美しいものですね。以前はベーシックタイプが人気でしたが、ここ数年で変わり、よりファッション性の高いものを好む傾向が強まっています。一方で、韓国や中国からの観光客も少なくありません。面白いのがワカオの「東京製品」と書かれたタグを確認して購入される方が多いこと。当店に「“東京製品”(東京で作られている製品)が置かれている」ということが海外で口コミにより広まり、人気になっているようです。
アンブレラ・ライフを充実させたい
伝統があり、未来に残していきたい日本の職人による傘、ヨブス工房の生地を用いた傘などを提供するha-na自由が丘店。そんな質の高い傘を提供する店の販売員として、菊池さんが常に心がけていることが、お客様への「気配り」です。
Q.接客で心掛けている点は?
A. 購入されるお客様に対して、ひと言、ふた言アドバイスをさせていただくことです。開く時に力を入れ過ぎたり、急に閉じたりなど傘に負担がかかる使い方をされている方は意外に多いです。そこで、傘は様々なパーツによって組み立てられた繊細なアイテムであることや、正しい開き方、アフターケアの方法など、長く大切に使うためのポイントをお伝えしています。これらのアドバイスによって、お客様の“アンブレラ・ライフ”がより充実したものになればと考えています。
Q.売場の陳列でも工夫をしているそうですね。
A. ディスプレイは「見やすく、手に取りやすく」が基本。見た目がキレイになるように並べながらも、お客様の視線の高さに商品を置いたり、手に取りやすい高さに調整したり。折りたたみ傘をカゴに入れ、床において陳列する場合も、カゴの位置を少し高くし、あまりかがまずに取れるようにしています。ちょっとした気遣いですが、いつもお客様の立場で考え、工夫しています。
Q.修理サービスも提供している。
A. 当店でお買い上げいただいた日本製の傘の修理対応を承ることもあります。例えば、骨が折れたり、部品が外れてしまったりした場合のお直し、生地の張り替えなどです。修理をすることによって、お買い上げいただいた傘を「長く大切に」使用できるよう、できる限りの範囲内でご提案しております 。
アンブレラ・マスターの資格が信頼を生む
傘を多数扱う店の販売員として、お客様の細かな要望に応えるためには、より深い傘の知識が必要――。そう考えた菊池さんは、2012年秋にアンブレラ・マスターの資格を取得しました。本物志向で良いものとは何かを熟知する自由が丘のマダムが主な顧客層。早速取得の効果は出ているようです。
Q.アンブレラ・マスター取得のきっかけは?
A. お客様からの質問や依頼にしっかりと対応したいと思ったこと、また、日本の職人が作る傘に魅了され、純粋に傘のことをもっと深く知りたいと考えたことがきっかけでした。傘のパーツの素材やその組み立て方、多くの工程に人の手がかかっていることなどが理解でき、取得して良かったと実感しています。
Q.資格取得は店頭で役立っていますか?
A. 質問されたときに的確に答えられることに加え、学んだことをこちらから伝えることで、お客様と良い関係が築けていると感じています。例えば、良いものとは何かを熟知しているマダムにとって、若い販売員である私たちは何となく頼りないように見えてしまうかもしれない。でも、傘の正確な知識を伝えることで、販売員のプロと認識していただき、信用していただけます。また、お客様にとっても安心して相談できるようになります。マスターの資格取得は私たち、お客様の双方にメリットがあることだと思います。
Q.今後のことを教えてください。
A. 自分の知り得た知識をお客様にもっと発信し、傘がいかに魅力的であるか、そして当店の日本製の傘がいかに素晴らしいかを伝えていきたいですね。さらに良い傘との出会い、思い入れのある傘の修理などを通じて、お客様のアンブレラ・ライフをサポートし、「傘のことならha-naに相談しよう」と頼られるような店にできればと思っています。
アナタにとって傘販売のプロフェッショナルとは?
傘を買いたいと思ったとき、あるいは知りたいこと、困ったことがあったときに、「あの人に相談しよう」と思われるような頼れる人 |
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当店イチオシの傘 |
店舗紹介
ha-na自由が丘店
住所:東京都目黒区自由が丘2-10-7
TEL:03-3723-8687
アクセス:東急東横線 自由が丘駅下車徒歩1分
ホームページ:http://old-new.jp/ha-na/jiyugaoka/
概要:2003年にオープン。洋傘メーカー「ワカオ」の長傘、折りたたみ傘のほか、リーズナブルな傘も提供。生活雑貨はバッグや帽子からコップ、お皿、ぬいぐるみまで幅広く提供。
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※記事の内容は2013年3月現在のものです。