ルーマニア
2013.01.07
天気予報的中と傘人口増の関係
ルーマニアと聞いて思い浮かぶのは?ドラキュラ伯爵のモデルとなった人物の国、あるいは体操選手のコマネチさん。「ワイン」と答えるツウもいるかもしれない。世界遺産が29カ所もあったり、美しい自然に恵まれていたりするなど、観光立国であることも特徴。今では「アンチエイジングの国」などともいわれ、黒海沿岸のリゾート地における美肌泥パック、各種疾患に効くとされる温泉は、世界中のセレブの御用達だ。
降水量は比較的少なく、首都ブカレストの年間降水量は600㎜未満。ルーマニア観光局のスタッフは「北海道の気候に近く夏はカラッとしている」と話す。だが、夏は夕立、秋は朝から晩まで一日中降ったりすることもあるという。
そんな時は傘の出番と思いたいが、「少雨ならほとんどの人が差さない。大雨では差す人もいるが、それでも帽子やフードを被ってやり過ごす人もいる」(観光局スタッフ)。その点は他のヨーロッパの国と同じだ。
ただし、それは従来の傾向。今では変化が見られると指摘する声もある。現地在留邦人によると、ルーマニアの天気予報がよく当たるようになったとか。「朝方から雨が降る」、「夜には雨になる」という予報が出れば、最近はその通りになるそうだ。「それならば」と傘を持って出かける人も多くなり、差す人が増えているという見立てだ。
ルーマニアには昔から伝わる「雨占い」があるという。前年の大晦日に玉ネギの一番外側の部分を剥いたものを12枚用意する。それを12カ月とし、塩を一つまみずつ載せて一晩置き、翌朝に水が最も溜まった月が多雨になるというもの。要は予報なんてものは、当たるも八卦、当たらぬも八卦だったわけだ。しかし、天気予報の確度がアップし、頼れる存在になったことで意識は変わりつつある。それが傘人口増に一役買っているというのは、あながち間違っていないのかもしれない。