スイス編
2012.10.10
にわか雨と折りたたみ傘人気
スイスは、ヨーロッパの中心にあり、自然に恵まれた内陸国だ。永世中立国であり、多くの国際機関の本部も置かれる。スイス政府観光局によると、その気候は、北は寒帯性気候、南は地中海性気候、西は大西洋の海洋性気候、東は大陸性気候の影響を受ける。さらに平原地帯と山岳地帯の標高差もあり、複雑で多様な気候となっている。30kmしか離れていない2つの村で年間降水量が7倍も違うこともあるという。
森林地帯では、針葉樹と落葉樹が共存し、北極圏の苔も生えれば、地中海に多いヤシも茂る。河や湖で泳げる暑い夏でも、3000~4000m級の山頂は万年雪。山頂と麓の村では、10~30℃もの温度差がある。
四季のメリハリもある。同じ土地でも夏は30℃になることもあれば、冬は氷点下10℃にもなる。
降雨は、場所によって異なる。首都のベルンや中核都市のチューリッヒは、5~8月がピーク。各月100mmを超える。ジュネーブはチューリッヒより少ないが、年間でほぼ均等に降る。
一方で、降り方はほぼ同じ。一日中降り続くことはなく、多くがにわか雨だ。「朝から太陽が照っていても、突然降り出すことがある。でも、多少待てば止んでしまう。一日の中でも猫の目のようにくるくる変わる」とスイス専門の旅行代理店のスタッフはいう。
そこで、便利なのが折りたたみ傘。現地のスイス人も折りたたみ傘の携行率が高いようだ。スイス大使館スタッフは、「デパートやスーパーで購入でき、販売されている傘の75%は折りたたみ傘です。値段は日本円で800円~1万円。ただし、黒、赤、濃いグレーなどの無地ばかりで、ファッションアイテムというより日用品に分類されます」と、話す。スイスの妙齢の女性も平凡な無地の傘を使わざるを得ないわけだ。
もっとオシャレな折りたたみ傘はないものかしら――。チューリッヒっ子の嘆き節が聞こえてきそうである。