もぐらくんとパラソル

2005.01.01
「もぐらくんとパラソル」作:ハナ・ドスコチロヴァー 絵:ズデネック・ミレル
(偕成社・2004年10月刊)

 チェコの絵本作家ズデネック・ミレルが生み出した「もぐらくん」とパラソルの冒険をユーモラスに描いた絵本。もぐらくんは、文字通り穴掘りが得意なモグラを模したキャラクター。チェコでは50年以上も愛され続けている。日本で言えばドラえもんのような存在。

 ある日、土の中から地上に顔を出したもぐらくんは、生地は破れ、骨も折れたパラソルを発見。もったいないと思い早速修理すると、新品同様に生まれ変わる。

 そこからが冒険の始まり。パラソルは、ときには気球になって空を飛び、ときにはボートになり川を下る。途中でパラソルが魚に食べられそうになったり、仲間とスイカを食べている最中に犬に襲われるなど冒険につきもののハプニングが続出。もぐらくんは持ち前のバイタリティで何とか切り抜けていく。

 最後に突然の雨に見舞われたもぐらくんと仲間たち。でも安心。パラソルを開いて無事に雨をしのぐことができ、物語は静かにエンディングを迎える。

 モグラという珍しいキャラクターが繰り広げるストーリー展開は波乱万丈で飽きさせない。子供に読み聞かせながら一緒に楽しめる作品だ。

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