晴れた日に傘を買う人はお金が貯まる

2010.01.01
「晴れた日に傘を買う人はお金が貯まる」田中香津奈
(扶桑社・2009年11月刊)

 TV、雑誌、新聞などでも活躍する個人資産運用のプロである著者が、老後に備え確実にお金を貯めていくための秘訣を指南するマネー本だ。

 著者は、個人資産運用で使うお金には、「攻めのお金」と「守りのお金」があると説く。前者は預貯金を中心とした“ストック” を原資に、後者は毎月定期的に入る給料などの“ フロー”を原資にするお金となる。そして、重要なのは「守りのお金」。給料として入った後の“ 出口”の選択こそが、その後の人生を決める鍵となるのだ。

 その出口として、本では数ある生命保険や住宅ローンなど“守り”向けの「金融商品」の中から、最も有効と思われる具体的な商品名を挙げて解説する。例えば、東京海上日動あんしん生命が販売する「長割り終身」という終身保険。 30歳の男性が月々1万7040円の保険料で、1000万円の死亡保障が付くプランに加入したとする。すると、払込満了となる60歳までに支払う保険料約613万円に対し、60歳で解約すれば732万円もの返戻金を受け取れる。さらに、返戻金はその後も解約を遅くするほど増え、68歳で800万円、 81歳で900万円を超えるという。

 そして、様々な商品選びに共通して言えることが、タイトルにもある通り、「雨の日」ではなく、「晴れの日」に吟味して買うこと。つまり、雨の日(老後近く)に慌てて傘(商品)を買うのではなく、晴れの日(30代など若い頃)に、余裕を持って選ぶことが大切と言っているのだ。

 知ると知らないとでは、大きく差がつく人生のマネー戦略。この本を片手に考え直してみてはいかがだろうか。

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