JUPA基準


JUPA基準
第5.2版
2024年11月20日改定
日本洋傘振興協議会規格
( Japan Umbrella Promotion Association Standard )

日本洋傘振興協議会概要

 日本洋傘振興協議会(Japan Umbrella Promotion Association = JUPA)は、全国 の洋がさ製造業者有志により1963 年に設立された。以来、会員企業は、洋がさの 品質向上と安全性 の確立はもとより、常にファッショントレンドの研究や機能性 の向上を追求し、より高い付加価値のある製品の開発に努力してきた。また協議 会では、独自にJUPA(ジュパ)基準を設定し、会員の洋がさの品質・信頼・安心 の証として、JUPA マークを発行している。

団 体 名:日本洋傘振興協議会(Japan Umbrella Promotion Association)
略 称:JUPA(ジュパ)
設 立 年 月:1963年3月
所 在 地:日本洋傘振興協議会事務局
    〒111-0053 東京都台東区浅草橋5-8-1(洋がさ会館内)

JUPAマーク

品質・信頼・安心の証

 JUPAマークは1969年に誕生した。以降、会員企業が取り扱う洋がさの品質向 上と安全の確立を図る基準にもなり、その内容は年を追うごとに充実度を高めて きた。またJUPA マークは会員企業にとって、常にファッショントレンドの研究や、 機能向上を追求するといった努力を続ける励みにもなっている。1997 年12 月1日 の「雑貨工業品品質表示規程」の改正に伴い、会員はこのJUPA マークを表示する こととなった。このJUPA マークは、傘本体の中骨上部(製品の構造による)およ び商品タグに貼付され、消費者は、購入の際に確認することができる。

JUPA マークの 3 つのポイント

①日本洋傘振興協議会会員のみが洋がさに表示できるマーク
②消費者が洋がさを選ぶときに安心できるマーク
③表示が明快な製造責任マーク

日本洋傘振興協議会規格

日本洋傘振興協議会規格
( Japan Umbrella Promotion Association Standard )
《JUPA基準》
1. 適用範囲
この規格は、洋がさについて規定する。ただし、ビーチパラソルなど特殊用途に使用 するものを除く。 備考 この規格の引用規格を、次に示す。
JIS S 4020 洋がさ
JIS B 7516 金属製直尺
JIS H 8610 電気亜鉛めっき
JIS H 8617 ニッケルめっきつき及びニッケル-クロムめっき
JIS L 0842 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0846 水に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 1092 繊維製品の防水性試験方法
JIS L 1096 織物及び編み物の生地試験方法
JIS Z 1522 セロハン粘着テープ
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8721 色の表示方法-三属性による表示
JIS L 0854 昇華堅ろう度試験方法
JIS L 1055 カーテンの遮光性試験方法
JIS L 1925 繊維製品の紫外線遮蔽率評価方法
JIS L 1951 遮熱率の試験方法

2. 用語の定義
この規格で用いる主な用語の定義は、次のとおりとする。
(1) 長がさ 親骨が単体で中棒も単体である洋がさ。
(2) スライドショート長がさ 親骨が単体で中棒が2段以上ある洋がさ。
(3) 折りたたみがさ 親骨が2本以上に折れ、中棒が2段以上ある洋がさ。
(4) 手開き式かさ かさを、手の力で開閉する洋がさ(付図1参照)。
(5) トップレスかさ 親骨が上ろくろと直結せず、補助骨及び受け骨を介し 連結した 構造(トップレス式)をもつ折りたたみがさ(付図2(2)参照)。
(6) ジャンプ式かさ かさを、ばねの力によって自動的に開く洋がさ。
(7) 飾 り 手 元 手元部が小さく、それ自身手元の機能を果たさず、主たる握り部分が中棒であるもの。
(8) 親骨の長さ かさを、開いた状態で、上ろくろと親骨の接点から露先の先端までの道のり。なおトップレスかさでは、上ろくろと中棒との接点から露先の先端までの道のり。(付図2(2)参照)
(9) 彩美色 JIS Z 8721に規定する等色相面における明度/彩度が、7/2、6/4、5/6、4/8、3/10以上の色。

3. 各部の名称
各部の名称は、付図1〜2による。

4. 種類
洋がさの種類は、区分及び形式によって、表1のとおりとする。
表1種類
注)一部のミニがさやトップレスかさには、ジャンプ式と、通称ダブルジャンプ式と呼ばれボタンを押すと自動的に開閉するかさもある。

5.品 質
表2品質
(注1) かさ生地の適用範囲は本体部分とし、刺しゅう部分、顔料プリントなど加工部分を除く。
(注2) 紫外線防止加工を施した生地であること。
(注3) 遮光加工を施した生地であること。
(注4) 遮熱加工を施した生地であること。
(注5) プラスチックシート製は除く。
(注6) 学童がさ、ゴルフがさ、特殊がさを除く。

6.かさ骨の外観および構造
(1)すべての部分に、割れ、折れ、さびが無く、傷、ばり、およびまくれが目立たない こと。
(2)鉄鋼素地の部分については、めっきまたは塗装が施してあり、はがれ、びり、や け、ふくれ、しわが目立たず良好であること。
(3)石突きの先端はほぼ平面で、その表面積が20mm²以上であり、その周囲は鋭利で ないこと。
(4)はじきの取り付けは確実で、機能が良好であること。
(5)ダキ針の先端は被覆(カバー)すること。*注)
*注)ダキ針がない構造、あるいは、ダキ針が露出しないろくろの構造は含まない。

7. 試験方法

7.1 操作性
 操作性の試験は、とめひもを外した状態で試料の開閉操作*注)を1分間に1回の速度 で5回行い、開閉操作が円滑であるかどうかを調べる。また、開閉操作 終了後、親骨 とだぼ、だぼと受骨の緩み、破損、中棒の変形、折れ、手元又は飾り手元のがたつき、 外れ、かさ生地のほつれ、破れなど各部に使用上支障となる異常の有無を目視によっ て調べる。
*注) 折りたたみがさについては、中棒の伸び縮み及び親骨と先骨の折り曲げを含む。 

7.2 耐久性
 耐久性の試験は、7.1で使用した試料について、とめひもを外した状態で試料の 開閉操作を1分間に6回の速度で500回行った後、開閉操作が円滑であるかどうかを 調べる。 なお、折りたたみがさについては、中棒を伸ばした状態で開閉操作を行う。また、 開閉操作終了後、親骨とだぼ、だぼと受骨の緩み、破損、中棒の変形、折れ、手元 又は飾り手元のがたつき、外れ、かさ生地のほつれ、破れなど各部に使用上支障と なる異常の有無を目視によって調べる。

7.3 耐漏水性
 耐漏水性の試験は、7.2で使用した試料について、図1のように試料を取り付け、 人工降雨試験装置を降雨量が 20±2 mm/h となるように調整して20分間降雨させた 後、試料の内部に伝水の有無を目視によって調べる。また、試料の内部の水滴数を 数える。
ただし、晴雨兼用日がさについては10分間降雨とする。
図1 人工降雨試験装置


7.4 強度試験
7.4.1 中棒の曲げ強度
中棒の曲げ強度の試験は、7.3で使用した試料について、次のとおり行う。
(1)試料を閉じた状態(2)で 図2(1) のように試料を水平にして、下はじきの溝が横向きの 状態で手元を固定し、基点(例えば、床)からの高さを 1mm まで測定する。 注(2) とめひもを外した状態とする。 また、ジャンプ式かさについては、安全機構を解除した状態とする。
(2)石突きの先端部に 1.5kg のおもりを静かにつるし1分間保持する。
(3) おもりを除去し、石突きの先端部の高さを(1)と同様に測定し、さらに各部にき裂、 破損、使用上支障がある緩み、変形などの有無を目視によって調べる。
(4)試料のかさ生地及び親骨を取り去って同様に固定し、図2(2) のように荷重を加え、 5分のLまでたわませ1分間保持した後、破断の有無を目視によって調べる。
図 2 中棒の曲げ強度試験方法

7.4.2 中棒と手元又は飾り手元の取付強度
 中棒と手元又は飾り手元の取付強度の試験は、7.3で使用した試料について、手元又は 飾り手元の抜け方向に次の静荷重を加え、1分間保持した後、中棒、手元又は飾り手元の き裂、緩み、抜けなどの異常の有無を目視によって調べる。
 (1)⻑がさ
   (a) 手開き式    540N
   (b) ジャンプ式   600N
 (2) 折りたたみがさ
   (a) 手開き式    350N 注(3)
   (b) ジャンプ式   600N
注(3) 飾り手元のかさについては、200 Nとする。

7.4.3 中棒と上ろくろの取付強度
 上ろくろの抜け方向に次の静荷重を加え、1分間保持した後、中棒、上ろくろにき裂、 緩み、抜けなどの異常の有無を目視によって調べる。 加える荷重は次のとおりとする。
 (1) 手開き式かさ 270 N
 (2) ジャンプ式かさ 500 N

7.4.4 中棒の引張強度
 中棒の接合部の抜け方向に 350Nの静荷重加え、1分間保持した後、中棒にき裂、緩み、 抜けなどの異常の有無を目視によって調べる。

7.4.5 かさの骨の強度
 かさを開いた状態で中棒を水平にして、手元及び石突きを固定し、かさの内側の方向 に親骨又は先親骨の先端部に 6Nの荷重を加え、1分間保持した後、骨各部にき裂、破損、 破断などの異常の有無を目視によって調べる。また、骨各部に著しい変形がないことを 目視によって調べる。

7.5 中棒の寸法規格
 中棒の中央部又は中央部に近い箇所を測定する。
(1) 折りたたみがさ・スライドショート⻑がさ

(2) ⻑がさ

《許容誤差》・外径の呼び寸法 マイナス0.25mm
《許容誤差》・ 肉   厚  マイナス0.02mm

7.6 手元(手元色落ち基準)
 (1) 手元を固定し、手元の表面に乾燥した白綿布をかぶせて、9.8 Nの荷重を加え、 手元の直線部又は摩擦試験可能箇所の表面を10往復摩擦する。
 (2) 手元を固定し、手元の表面に湿潤状態の白綿布[蒸留水でぬらして約100%湿 潤状態としたもの]をかぶせて、9.8 Nの荷重を加え、手元の直線部又は摩擦試験 可能箇所の表面を10往復摩擦する。 なお、(1) (2)とも摩擦用白綿布の大きさは約 3cm×3cmとする。
判定方法
 摩擦用白綿布の着色の判定は、JIS染色堅ろう度試験、汚染用グレースケール4級以上。

7.7 かさ生地及び縫製

7.7.1 防水試験
(1) 耐 水 試 験  耐水度の試験は、JIS L 1092 A法(低水圧法)による。 
(2) はっ水試験  はっ水度の試験は、JIS L 1092 のはっ水度試験(スプレー試験)に よる。

7.7.2 染色堅ろう度
(1) 耐 光 性  耐光性の試験は、JIS L 0842第3露光法による。 
(2) 水堅ろう度  水堅ろう度の試験は、JIS L 0846による。 
(3) 耐 摩 擦 度  耐摩擦度の試験は、JISL0849 II型 による。
(4)昇華堅ろう度   昇華堅ろう度の試験は、JIS L 0854による。

7.7.3 寸法変化率
 寸法変化率の試験は、JIS L 1096〔A法(常温水浸せき法)〕による。

7.7.4 引張強度
(1) 繊維製の生地の場合  繊維製の生地の引張強度の試験は、JIS L 1096の6.12.1(1) 〔A法 (ストリップ法)〕による。
(2) プラスチック製の生地の場合  プラスチック製の生地の引張強度の試験は、試料から図3に 示す試験片を3個とり、片方の端を固定し、図4 に示すように 他方の端に1kgのおもり(おもり側の固定具の質量を含む)を つるし、1分間保持した後、き裂及び破断の有無を目視によっ て調べる。

7.7.5 紫外線遮蔽率
 紫外線防止加工を施した生地の紫外線遮蔽率の測定については、JIS L 1925による。


7.7.6 遮光率
 遮光加工を施した生地にあっては、遮光率の試験は、JIS L 1055 A法(100,000 lx)に よる。

7.7.7 遮熱率
 遮熱加工を施した生地にあっては、遮熱率の試験は、JIS L 1951による。

7.7.8 縫製
 中縫いの目数は、試料を広げ、各親骨中央部付近を JIS B 7516 に規定する1級で、 かつ、呼び寸法 150mm の金属製直尺を用い、3cm 間の目の数を目視によって数える。

7.7.9 顔料プリントの剥離
 顔料プリントの剥離試験は次のとおりとする。
 検査テープ  セキスイ透明テープ (品番P60T03 50mm×50m オリエンテープ NO.830) に準じる透明テープを使用する。 
 検査方法  直径70mm以上のガラス瓶の底で同一方向に透明テープを平均 して片道10回こする。 試料の一端と透明テープの一端を持ち、一気に引きはがし、 透明テープを白地に張りつけ、結果を判定する。

7.8 表面処理

7.8.1 めっき層の厚さ
 めっき層の厚さの測定は次のとおりとする。
(1)亜鉛めっきのもの 亜鉛めっきのめっき層の厚さの測定は、JIS H 8610の7.2 (厚さ試験)による。
(2)亜鉛めっき以外のもの 亜鉛めっき以外のもののめっき層の厚さの測定は、JIS H 8617の7.2(厚さ試験)による。

7.8.2 耐食性
 耐食性の試験は次のとおりとする。
(1)亜鉛めっきのもの 常温の5%塩化ナトリウム水溶液中に酢酸を0.1〜0.3%の 範囲内で添加し、さらに、この水溶液1L当たり塩化銅(II) 二水和物0.26 gを混合した試験液に1分間浸せきした後、取 り出し、加工部分及び中棒の内側を除く他の部分が黑色に ならないかどうかを目視によって調べる。
(2)亜鉛めっき以外のもの 常温の5%塩化ナトリウム水溶液中に18時間浸せきした後、 取り出し、水洗いしてから30分間自然乾燥し、加工部分及び中棒の内側を除く他の部分にさびの発生の有無を目視 によって調べる。
(3)塗装のもの  試料を適切な方法で脱脂し、80°Cの5%塩化ナトリウム水溶 液中に1時間浸せきした後、取り出し、はく離又は変色の 有無を目視によって調べる。

7.8.3 膜の強さ
 膜の強さの試験は、次のとおりとする。
(1) めっきのもの  めっきによる表面処理の膜の強さの試験は、親骨、受骨及び中棒 を90°の角度に折り曲げたとき、めっきがはく離しないことを目 視によって調べる。
(2) 塗装のもの  塗装による表面処理の膜の強さの試験は、塗膜面に JIS Z 1522 に規定するセロハン粘着テープを1cm²以上密着させた後、セロ ハン粘着テープを 軸の方向に対し約90°の角度で急速にはがし たとき、セロハン粘着テープの密着面及び塗膜面の異常の有無を 目視によって調べる。

8. 検査方法
 洋がさは、5. 及び 6. について検査を行う。この場合、検査は、全数検査又は合理的な 抜取検査方式によって行う。

9. 家庭用品品質表示法による表示
品質表示カード(例)

※この品質表示カードは、修理等を受けるときに便利なため、 お客様には、購入後も保管することをおすすめ願いたい

10. JUPAマークの表示
 JUPAマークの表示にあたっては、JUPAマークの運用規程を遵守し、以下の とおりとすること。
・JUPAマークを表示する製品は必ずJUPA基準に適合すること。
・JUPAマークの表示個所は製品本体に1箇所のみ、中棒上部とする。ただし、 その位置に貼ると製品の構造上、利用者が視認できなくなる場合は、周辺の他の 場所とする。それ以外は傘本体にJUPAマークを表示してはならない。 また、商品タグ(下げ札)への表示は任意とする。
・表示するJUPAマークは日本洋傘振興協議会公認の「JUPAシール」に限定し、 事務局で販売する。
・協議会は上記に基づき履行されていることを定期あるいは不定期に調査し、規程に 反すると認めた場合にはJUPAマークの使用を停止あるいは禁止する。

11. 遵守事項
− 自動開閉式折りたたみがさ及び同構造のかさの表示−
当該かさの製品を取扱う会員は、当協議会が指定した内容のタグ(雛形)を各 会員が作製し、その該当製品には必ず添付して、一般消費者に取扱説明と注意喚起 を促す。
− 1級遮光生地使用かさの表示 −
1級遮光生地を使用したかさは、「1級遮光生地使用傘」と称呼する。 −耐風傘の表示− 風に耐えうる機能や構造を有する洋がさを示す。
−大判、ラージ等の表記−
大判、ラージ等を表記する場合は、サイズも共に表記すること。
−はっ水加工表示
強力防水加工をしていても「強力防水加工」「強力はっ水加工」「超はっ水」等 の表示はしないこと。 「耐久はっ水」を単独使用する場合、できるだけ「水をはじきやすく、その性能が ⻑持ちします」を併記することとする。
−形態安定表示
表示は、一般消費者が誤認しないように、「たたむのが簡単である」旨の補正表示 をかならず記載すること。
−機能性表示
機能性の表示に「100%」の表現を用いることができるのは、JUPA基準に 示すJIS規格に基づいた試験結果で確認された場合に限る。 ・使用する検査方法は、JIS規格に準じること。
例:JIS L 1925(紫外線遮蔽率) / JIS L 1055 A法(遮光率)など
・「100%」の表現をする場合、下記の事項を併記しなければならない。
1.採用した試験方法
2.検査結果は試料(生地の一部)に基づくものであり、製品全体の性能を保証するものではない旨の注意
・機能性の表示に「完全」の表示はしないこととする。

付図1 【⻑がさ】

付図2 【折りたたみがさ】

JUPA基準
日本洋傘振興協議会規格

日本洋傘振興協議会
( Japan Umbrella Promotion Association )
〒111-0053 東京都台東区浅草橋5-8-1
TEL(03)3861-5924

ページトップへ