仲屋商店 仲 憲一さん

2009.03.13


東京・新宿から延びる甲州街道沿いにある京王新線・幡ヶ谷駅。この都心の駅から約1分の場所に洋傘専門店の「仲屋商店」は店を構えています。店を取り仕切るのは、代表取締役の仲 憲一さん。アンブレラ・マスターの資格を取得することで、販売者としての責任を改めて実感し、より丁寧な接客を心がけるようになったといいます。
 

Q.アンブレラ・マスター認定制度を受けたきっかけは?
A.私の店は、以前、日本洋傘振興協議会が発行する広報紙「アンブレラ・シーズン」の取材を受けたことがあります。それをきっかけにその後は広報紙をよく読んだり、ホームページをチェックしたりするようになったのですが、あるときそこに認定制度開催の告知が載っていて、これは傘の勉強をするチャンスだと、迷わず応募しました。


Q.傘の勉強をしたいと思ったのはなぜですか?
A.私が以前の仕事を辞めて、本格的にこの店に携わるようになったのが2004(平成16)年ごろのこと。傘の仕事はまだ日が浅く、自分が傘のことをほとんどわかっていないことに歯がゆさを感じていました。当店には、創業(1950(昭和25)年)の頃から働いている職人がいるのですが、その職人の知識量の豊富さをうらやましいとも思っていました。傘屋を担うからには、しっかりした知識を得る必要がある。それが直接の動機ですね。


Q.資格を取得して、メリットはありましたか?
A.講義のときに流れたビデオの中で、傘がきちんと管理された工場で、職人の手により、複雑な工程を経て作られることを初めて知りました。そのおかげで、1 本、1本がしっかりした作りになっている。そうした、高い品質の根拠を、お客様との会話の中で説明できるようになったことは大きなメリットです。それにより、お客様の製品に対する納得感も高くなっているのではないでしょうか。また、資格取得をきっかけに、「もっと傘のことを知りたい」という意識が強くなりました。今後は知識と傘への想いをより深め、お客様に伝えていけたらと思います。

おすすめ傘 当店自慢の3本!


当店では、高品質の傘を取り揃えています。婦人傘も紳士傘も品数豊富です。その中から特にファッショナブルなものを選んでみました!
 

eight-tokyo eight-tokyo ¥3,800(税込)
軽量で持ち運びがラクなワンタッチ傘です。このチェック柄は昔からの定番。様々な服装に合わせやすいデザインですね。


 

eight-tokyo eight-tokyo ¥3,800(税込)
軽くて丈夫で、なおかつコンパクトな折りたたみ傘です。よくお客様に薦めますし、売れ筋商品でもあります。開いたときのアーチもキレイです。


 

SELECTIONSELECTION ¥4,000(税込)
これもよく売れている紳士傘。裏地がチェックになっていて、ちょっとオシャレな雰囲気ですよ。



 

アンブレラ・マスター 傘へのおもい

ベテラン職人による修理をアピール


ベテラン職人による修理をアピール 店舗は全面改装し、2009年2月にリニューアルオープンしました。35年ぶりの改装ですよ。これを機に従来の卸売中心から小売中心へと業態をシフトさせていきます。自分としては、生まれ変わったという気構えで、取り組んでいきたいですね。
オープンセールの効果もあり、客足はまずまずですよ。多いときで50人くらいのお客様が来店されます。店舗のレイアウトは、店の奥にゆったりしたスペースを設け、大きな鏡を設置。傘の点数も店頭より、奥のほうに数多く陳列するようにしています。店先のディスプレイなどで興味を持たれたお客様に、店の奥にまで足を運んでいただき、そこでゆっくり傘を見ていただく。そんなイメージで店作りをしています。その工夫も多少は功を奏しているのではないでしょうか。
また、職人による傘の修理も店のウリにしています。職人は創業の頃から50年以上うちの店に勤めているベテランで、当時は傘作りも手がけた本格派です(在籍する職人は2人、写真はそのうちの1人、山岸宣昭さん)。修理依頼は多いときで月に100件程度。テレビ取材などもあり、それを見て壊れた傘を送ってこられるお客様もいます。この修理については、今後もっとアピールしていきたい。そして、修理をきっかけに小売につなげられればとも思います。
 

傘を開いて見せることがポイント

私自身としては、もっと接客のスキルを高めたいですね。私の母(里美さん)と姉(植田淳子さん)も店頭に立ちますが、接客は母がめっぽう上手い。お客様の服装を見て、こういった傘が合うとパッと薦められるし、お客様もその助言通りに購入されることが多いですね。コミュニケーションも巧みです。私は傘の機能性の部分は上手く説明できるのですが、世間話などの会話やコーディネートの点でいうとまだまだ。母を見習って改善していきたいですね。
その母から教わった接客のポイントは、とにかく傘を開いて見せること。実際に開いた雰囲気、そして全面のキレイな柄を披露すると、お客様の購入意欲も高まると、母は言います。私も、できるだけ開いて見ていただくことを心がけています。
傘の使い方についても、少しレクチャーしますね。例えば、傘が濡れていると、生地同士がくっついてしまい、そのまま開くと骨や生地に負担がかかることがある。そういう場合は、軽く振り、生地をほぐしてから開くようにしてください、と伝えます。
そのほか、渋谷限定のオリジナルビニール傘も作って販売しています。今後もこうした商品や修理、店作り、接客などに注力し、小売店として発展させていくことができればと考えています。

店舗紹介

仲屋商店
住所:東京都渋谷区幡ヶ谷2-7-9
TEL:03-3377-3865
FAX:03-3377-6275
アクセス:京王新線幡ヶ谷駅北口を出て徒歩1分。甲州街道からわき道に入った幡ヶ谷六号通り商店街の一角にある。
ホームページ:http://nakaya-kasa.com/cgi-bin/umbrella/site.cgi
概要:1950(昭和25)年に現代表取締役の仲憲一さんの祖父にあたる寅吉さんが創業。当時は職人を10人ほど雇い、傘の製造・卸売を展開。2代目の正尚さんの時代には店で小売店様向けに毎年展示会を開催し、卸売業の全盛期を迎えた。3代目の憲一さんにより店は全面改装され、2009年2月にリニューアルオープン。今後は小売に注力していくという。
1950(昭和25)年に現代表取締役の仲憲一さんの祖父にあたる寅吉さんが創業。当時は職人を10人ほど雇い、傘の製造・卸売を展開。2代目の正尚さんの時代には店で小売店様向けに毎年展示会を開催し、卸売業の全盛期を迎えた。3代目の憲一さんにより店は全面改装され、2009年2月にリニューアルオープン。今後は小売に注力していくという。


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※ここに掲載されている内容は、すべて2009年3月20日現在のものです。

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