オーストラリア編
2005.06.01
濡れても気にしないのがオージースタイル。アジア系移民が傘文化を根付かせる?
オーストラリアの国土は世界で6番目と大きく気候も場所によって異なるが、こと雨に関しては共通して少なく、年間降雨量は日本の4分の1程度。降ったとしてもスコールのように一瞬で止むのが定番。濡れても気候が乾燥していてすぐ乾くので、多くのオージーは雨の中を傘も差さずに歩いているという。
南西部のパースは6月が雨季の真っ最中で、ほぼ毎日一度は激しい雨が降るがすべて通り雨。「降るときには横殴りになるので傘を差しても無駄。締めて濡れっぱなしで歩く人も多い」と現地在住の日本人男性は証言。持っていったとしても男性用はゴルフ場で使うパラソルのようなビッグサイズで、「自分だったら恥ずかしくて絶対に持てない」とも。傘売り場は主要デパートにあり、価格帯は4千円前後。黄色と赤、赤と青、黄色と青といった組み合わせの“ゴルフパラソル”が狭いスペースに陳列されているそうだ。
ただ、そんなシドニーにも変化が現れ始めている。近年、アジア各国からシドニーへの移住が増加し、“傘を使う文化”を持つアジア系オーストラリア人が増えたことで、徐々に傘の使用者率も上がっている様子。「メルボルンに住んでいたときは雨が降っても傘を差している人は皆無。それに比べると、シドニーは差す人がいるし、多いと思う」と彼の地在住の日本人女性が実感するのも、そうした背景が多少は影響しているだろう。
移民に寛容な国といわれるオーストラリア。今後もアジア系の移住が増えれば、将来的に色とりどりの傘の花が咲く街が出てくるかもしれない。