水戸京成百貨店 吉岡 秀明さん

2013.03.28

京成百貨店 吉岡秀明さん
茨城県内に百貨店(日本百貨店協会加盟店)は2店のみ。そのうちの1店が水戸市にある京成百貨店です。茨城県はもちろんのこと、福島県も商圏に含む地域密着型のデパートで、その2階に洋傘売場は展開されています。売場に立つのは2012年5月に婦人服売り場から異動してきたという若き販売員の吉岡秀明さん。地方ならではのニーズや独自のアイデアで取り組んでいる販促の方法などをうかがいました。


最盛期は母の日

Q.売場を紹介してください。京成百貨店
A. 茨城県内では最も品揃えが豊富な洋傘売場の1つです。秋から冬にかけては約500本の傘を用意。5月に開催される「レイン・パラソルフェア」では、1階正面口のメインディスプレイスペースや婦人靴、バッグ、婦人用品雑貨の各コーナーにも雨傘、日傘、レイングッズのコーナーを設け、約1500本の傘を展開します。この期間は、通常取り扱いのないブランドも展開するなど、非常にバリエーションが豊富です。お客様の年齢層は平日はミセス層が多く、週末は20代・30代のヤング・キャリア層の方も含め、幅広い客層で賑います。

Q.品揃えの傾向は?
A. 商品の中心はファッション性が高く、色目もキレイなブランド傘ですが、耐風傘、軽量傘など機能性を前面に出した傘も取り揃えています。特に年配の方に人気なのが折りたたみタイプの軽量傘。100グラム台の超軽量傘がよく売れています。

Q.最も売場が活況となる時期は?京成百貨店
A. バレンタインデーやホワイトデー、母の日、クリスマスなどシーズンイベントのギフト需要があるときが盛り上がります。売場でも特別にイベントごとに専用の包装紙を用意して、ラッピングさせていただいています。特に母の日が最も活況となりますね。1日で100本近く売れることもあります。私が2012年に婦人服売場から異動して洋傘売場の担当になったときはちょうど母の日の前で、慣れない中、次から次へと来店されるお客様への対応に苦心したことを覚えています。一番のネックが折りたたみ傘をキレイにたためないこと。その後自宅で繰り返し練習することで、たたみ方をマスターしました。

婦人服売場で培ったスキルを活かす

洋傘売場に異動してまだ日が浅い吉岡さんですが、役に立っているのが入社以来4年間在籍した婦人服売場時代に培ったスキル。婦人服では当然のことながらトータルコーディネートの視点やセンスが必要となりますが、蓄積した経験とスキルが洋傘売場でも活きているようです。
 

京成百貨店
Q.ご自身が考える接客のポイントは?
A. トータルコーディネートの視点で提案することです。私の場合、お客様が傘を持ったときの全体の雰囲気を見て、アドバイスさせていただいております。これには婦人服売場での経験が非常に役立っている。婦人服では、ジャケット選びであれば「今お召しのパンツとよく合います」と申し上げるなど、トータルの雰囲気を見て助言させていただくことが日常でした。そのおかげで洋傘でもトータルコーディネートの視点によるアドバイスが自然とできるようになっています。

Q.選ぶのに迷われる方も多いと思いますが…
A. 確かに実際に傘を開いて、鏡でチェックしていただいても、判断がつかない場合はよくあります。特に最後に2本でどちらにしようか迷われる方が多い。その場合は私が持ち、少し離れたところから顔映りなどをチェックしていただきます。すると、イメージが付きやすくなり、決めていただけることも多々あります。

Q.アンブレラ・マスターの資格を取得されましたが、これも接客に役立っているのでは?京成百貨店
A. そうですね。婦人服売場でも「レディースフィッティングアドバイザー」という資格を取得。洋傘売場でも何らかの資格を取りたいと思っていたところ、アンブレラ・マスターの資格のことを知り、取得しました。傘のパーツの名称や素材など専門的な知識が身に付いたことで、お客様にもポイントを押さえた説明ができるようになり、また、修理の際メーカーに対し、故障部位の名称や状況などを正確に伝えられるようになるなど、非常に役立っています。




お客様の傘への関心を引くために

吉岡さんは、接客以外の部分でも、お客様に傘への関心をより持っていただくための工夫をしています。例えばお客様がレジで商品の精算を待っているとき。あるいは館内のゲストスペースで休まれているとき。そんなお客様の「スキマ時間」にこそ好機があると考えています。


京成百貨店
 
Q.洋傘売場のレジではちょっとした工夫をされているそうですね。
A. 実は見ていただければわかるのですが、レジの背後にオススメの傘を色違いで3本、開いてディスプレイしています。レジでお待ちいただいているのとき、お客様は時間を持て余され、自然とディスプレイされている傘に目が留まるようです。見ているうちに関心を持たれ、中には「追加であの傘も」と購入していただけることもよくあります。


Q.その他売場独自の取り組みはありますか?京成百貨店
A. 同じような発想で、お客様がゲストスペースで休まれているときもチャンスです。私たちは独自に洋傘のファッションニュースを1枚の紙にまとめて発行し、ゲストスペースや駐車場への連絡通路などに置くようにしています。
内容は例えば「オススメ日傘のご紹介」や「オータムコレクション」というタイトルで、季節ごとの新作のアイテムを紹介するもの。休憩中などお客様の「スキマ時間」に手に取っていただくことが狙いです。






Q.売場で来店を待つだけでなく、積極的なアプローチも必要ですね。
A. 実を言うと、ファッションニュースは婦人服売場でも発行していたもので、ここでも過去の経験が活かされています。ゲストスペースや連絡通路のほか、ショッピングバッグに封入したり、他の売場のレジ脇に置いたりするなどの展開も試みています。今後もお客様にご満足いただけるようなチャレンジを続けていきたいと思います。



アナタにとって傘販売のプロフェッショナルとは?

傘を差すお客様ご自身はもちろんのこと、周囲の人たちも明るい気持ちにできるような傘を提案し、販売できる人(吉岡さん)

当店イチオシの傘
  当店イチオシの傘


店舗紹介

京成百貨店

京成百貨店

住所:茨城県水戸市泉町1-6-1
TEL:029-231-1111(代表)
アクセス:JR水戸駅下車 北口より徒歩約17分、バス約7分(「泉町1丁目」下車)
ホームページ:http://www.mitokeisei.co.jp/
概要:髙島屋を中心とした「ハイランドグループ」に加盟。現在の店舗は2006年に新築移転しオープンしたもの。京成百貨店はかつて上野などに店舗があったが、現在は水戸の1店舗で営業。洋傘売場は2階奥にある。
 


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※記事の内容は2013年3月現在のものです。

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