デザイン編 Part2

2012.05.31


Q:前回は主に傘のデザインが決まるプロセスを紹介した。今回はどんな要素でデザインが成り立つのかを教えて。
A:大まかに、①機能性重視、②デザイン性重視に分かれる。①は、軽量や、簡単に開閉できる「クイックアーチ(クイックオープン)」、折れにくい骨を使ったものなど。機能を優先するという制約の中でフォルムや柄をデザインすることになる。最近は、高機能の傘への需要は高まる一方。機能がより多く付いた「お得感」は時代のキーワードともいえる。大手のムーンバットを例にとると、①のタイプは、年々増える傾向にあるそうだ。

Q:②はどうデザインするの?
A:多くの場合、まず「デザインマップ」を作る。これは柄やカラー、フォルムなどのイメージや世界観を1枚のシートにまとめたもの。ファッション雑誌から切り抜いた写真などをいくつか貼り付けたりして作成する。そのマップで関係者とイメージを共有したうえで、デザイナーが実際のフォルムをデザインする。骨の多い多間傘にするのか、深張りにするのか、フリ ルを付けるのか、細身にするのか、ボリューム感のある可愛い雰囲気にするのか、といった全体的なスタイリングを決めるわけだ。

Q:最初にベースの形を決めるわけだね。次は?
A:傘で最も重要な生地のデザインだ。例えば、プリントにするのか、ジャガード織にするのかなどを選び、柄を決めていく。そして、展開する色を決め、最後に手元に付けるチャームなどディテールを加える。つまり、「デザインマップ→スタイリング→生地の柄→色→ディテール」が主なデザインの要素と流れとなる。

Q:なるほど。それぞれの最近の流行は?
A:スタイリングでは、細身のエレガントなシルエットが人気かな。婦人傘では、5、6年前は、エコやロハスを背景にコットン生地を使った割と量感のあるものが多かったけど、今は逆の傾向。ハンドルも当時流行った自然木を使ったゴツゴツしたタイプは少なくなり、主流は細いハンドルに替わってきている。高級感やラグジュアリ感を求める女性が増えていることが要因の1つだろうね。

Q:生地の柄や色はどうかな。
A:柄は花柄、色はピンク、オレンジなどの暖色系が人気。特に色は、シャーベットカラーやペールトーンなど明るく、甘く、優しい色合いが流行りだ。上品で明るめのファッションを求める、現代女性の内面がうかがえるね。
 
Q:具体例はあるかな。
A:例えばムーンバットでは、今季、英国生まれのブランド「リバティ」の華やかな小花柄を使った細身の雨傘をラインナップしている。今夏のロンドン五輪の影響で、英国のクラシックなスタイルに注目が集まり、人気も出そうだね。
 
Q:今後、傘のデザインはどうなる?
A:昔は皆と「同じもの」を求める傾向があったけど、今は逆に「違うもの」を求める時代になっている。こういった消費者マインドの変化に合わせ、傘も、より“個性”を重視した商品が増えていくだろうね。

(取材協力:ムーンバット)

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