インド編

2004.03.25

悠久の歴史に溶け込む傘文化に変化の兆し!?

 
 インドで傘は二千年以上も前から権威や縁起ものの象徴。有力者は高い身分を誇示するため、外出時には必ず絢爛な日傘を何本も差した。今日でも婚礼の行列には欠かせない。手に傘形のあざがある女性は幸せになるとの言い伝えさえ残っている。
 しかし、実用面では必ずしも傘文化が根付いているとはいえない。インドは雨季があるので傘は必需品の筈だが、「一部のエリートが差しているだけで一般庶民は買う余裕がない」と、神戸でインド料理店「ラジャ」を営むインド人のライ・アルンさんは言う。雨が降ったら?―「外出しない」のが基本。インド駐在経験があるAさんも「雨の日にスタッフが無断欠勤したので同僚に尋ねたら『彼は傘がないから雨が降ると来ない』と当たり前のうように言われた」と。ただ、変化の兆しも訪れている。インド観光局の職員は「最近では都会に住む女性を中心に赤系統の折り畳み傘を晴雨兼用で使うシーンをよく目にする」と話す。IT産業に牽引されて経済の発展期を迎え、「傘がないから外出しない」という習慣も変わってきているのかもしれない。
 

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